OBSでフィルターを入れたら声が遅れる原因と直し方
OBSでマイクにフィルターを入れたあと、声が少し遅れて聞こえることがあります
- ゲーム音より声が遅い
- BGMより声が遅い
- 歌枠でオケより歌声が遅い
- VSTプラグインを入れたら、なんとなく口の動きと声が合わない
こういう場合は、フィルターの処理による遅延が関係しているかもしれません
ただし、すべてのフィルターで大きな遅延が出るわけではありません
まず結論からいうと、次の順番で確認するとわかりやすいです
| 状況 | よくある原因 | 対処 |
|---|---|---|
| VSTやAIノイズ除去を入れたら声が遅れる | プラグインの処理遅延 | 同期オフセットで合わせる |
| OBSのモニター音だけ遅れて聞こえる | 音声モニターの遅延 | 録画で確認する / ダイレクトモニターを使う |
| 録画や配信でも声が遅い | 出力側でズレている | マイクか相手側の音に同期オフセットを入れる |
| だんだんズレていく | サンプルレートやデバイスの問題 | OBS、Windows、オーディオIFを48kHzにそろえる |
| 歌枠で声とオケがズレる | フィルター、VST、モニター環境 | 歌枠用に短く録画して調整する |
この記事では、OBSでフィルターを入れたあとに声が遅れる原因と、直し方をまとめます
同期オフセットの基本は、OBSの同期オフセットとは?音ズレを直す設定方法で解説しています
フィルターを入れると声が遅れることがある
OBSのマイクフィルターは、入ってきた音をそのまま流すのではなく、音を処理してから配信や録画に送ります
たとえば、こういう処理です
- ノイズを減らす
- 大きい声を少しおさえる
- 無言時の小さい音を下げる
- 声にリバーブをかける
- VSTプラグインで音を加工する
処理が軽いものなら、ほとんど気にならないことも多いです
ただ、AIノイズ除去、リバーブ、重いVSTプラグインなどは、声を処理するために少し時間がかかることがあります
その結果、声だけがゲーム音、BGM、デスクトップ音声、オケよりも遅れて聞こえることがあります
OBS公式でも、VSTプラグインはCPU使用率に注意が必要で、プラグインによってはクラッシュする可能性があると案内されています
つまり、VSTは便利ですが、OBSに入れれば何でも軽く動くわけではありません
遅れやすいフィルター
特に確認したいのは、このあたりです
| フィルター・プラグイン | 遅れやすさ | メモ |
|---|---|---|
| OBS標準コンプレッサー | 小さめ | 基本的には大きな遅れは出にくい |
| OBS標準リミッター | 小さめ | 最後の音割れ防止として使いやすい |
| OBS標準ノイズ抑制 | やや小さめ | RNNoiseなどやや遅延があるが小さめ |
| VSTコンプレッサー | プラグイン次第 | 軽いものもあれば重いものもある |
| AIノイズ除去VST | 出やすい | 声とノイズを分ける処理で遅れやすい |
| リバーブ系VST | 出ることがある | 歌枠では特に確認したい |
| 複数のVSTを重ねる | 出やすい | 原因もわかりにくくなる |
OBS標準のコンプレッサーやリミッターだけで、はっきりわかるほど声が遅れるケースは多くないと思います
気にしたいのは、AIノイズ除去、VSTプラグイン、リバーブ、複数フィルターの重ねがけです
ノイズ除去プラグインは、OBSで使えるおすすめノイズ除去プラグイン(無料・有料の選び方)でまとめています
まず録画で確認する
声が遅れている気がしたら、まず短く録画して確認してください
OBSの音声モニターで聞いた音だけで判断すると、配信や録画に出る音と違って感じることがあります
OBS公式の音声ミキサー解説でも、配信前に録画して聞き返すことが案内されています
確認するときは、この流れがわかりやすいです
- いつもの配信と同じフィルターを入れる
- ゲーム音、BGM、オケなどもいつも通り鳴らす
- 手を叩く、短く声を出す、歌枠ならリズムに合わせて声を出す
- OBSで10秒から20秒くらい録画する
- 録画ファイルを聞いて、声が早いか遅いか確認する
ポイントは、配信本番と同じフィルター状態で確認することです
フィルターをOFFにした状態で合わせても、本番でVSTやノイズ除去をONにしたらまたズレることがあります
フィルターをひとつずつOFFにして原因を探す
どのフィルターが原因かわからない場合は、ひとつずつOFFにして確認します
いきなり全部消すと原因がわからないので、次のように試すといいです
- まず現在の設定で録画する
- VSTプラグインだけOFFにして録画する
- ノイズ抑制だけOFFにして録画する
- リバーブだけOFFにして録画する
- 遅れが消えたところを確認する
遅れが消えたフィルターが、原因の候補です
ただし、ひとつだけが原因とは限りません
ノイズ除去、コンプレッサー、リバーブ、VSTを重ねている場合は、合計で遅れが気になることもあります
最初はフィルターを増やしすぎないほうが確認しやすいです
直し方1:同期オフセットで合わせる
録画や配信でも声が遅れているなら、同期オフセットで合わせます
OBSでは、音声ミキサーの「音声の詳細プロパティ」から、音声ごとに同期オフセットを設定できます
手順はこちらです
- OBSの音声ミキサーを開く
- マイクの「︙」をクリックする
- 「音声の詳細プロパティ」を開く
- マイクの「同期オフセット」を調整する
- もう一度録画して確認する
考え方はシンプルです
声が遅れているなら、声を相対的に早めるか、相手側の音を遅らせます
たとえば、VSTプラグインで声が40msくらい遅れているなら、まずはマイク側に -40 前後を入れて確認します
もしマイナス値が使いにくい場合や、環境的にうまく合わない場合は、BGM、ゲーム音、オケ側をプラス方向に遅らせて合わせる考え方でもOKです
一度でぴったり合わせようとせず、-20、-40、-60 のように少しずつ試してください
大きなズレを無理やり同期オフセットだけで直すより、先に原因のフィルターや機材設定を見直したほうがいいこともあります
同期オフセットの基本はOBSの同期オフセットとは?音ズレを直す設定方法で解説しています
直し方2:重いフィルターを減らす
同期オフセットで合わせる方法は便利です
ただ、遅れが大きい場合は、フィルター自体を見直したほうがいいこともあります
たとえば、こういう見直しです
- ノイズ抑制を強くしすぎない
- VSTプラグインを複数重ねない
- 使っていないフィルターを消す
- リバーブを軽めにする
- 重いAIノイズ除去を別の方法に変える
- まずOBS標準フィルターだけで整える
OBSの音をよくしたいときほど、いろいろ入れたくなります
でも、フィルターを増やすほど、音が不自然になったり、遅れたり、原因の切り分けが難しくなったりします
まずは少なめにして、必要なものだけ足すのがおすすめです
直し方3:音声モニターの遅れと配信の遅れを分ける
自分のヘッドホンで聞く声が遅れているだけなら、OBSの音声モニターが原因かもしれません
OBSの音声モニターは、配信者がOBS内の音を確認するための機能です
便利ですが、環境によっては自分の声が少し遅れて返ってくることがあります
この場合、配信や録画では合っているのに、自分の耳には遅れて聞こえることがあります
確認したいのはこの2つです
- 録画ファイルでもズレているか
- OBSのモニター音だけズレて感じるか
録画では合っているのに、モニターだけ遅れて聞こえるなら、同期オフセットをいじる前にモニター環境を見直してください
オーディオインターフェイスを使っている場合は、OBSのモニターではなく、オーディオインターフェイス側のダイレクトモニターを使うほうが遅れにくいことがあります
歌や楽器のように自分の声を聞きながら配信する場合は、特にここが大事です
直し方4:だんだんズレるならサンプルレートを確認する
最初は合っているのに、数分たつとだんだんズレる場合は、フィルター遅延だけではないかもしれません
この場合は、サンプルレートのズレも疑ってください
たとえば、OBSは48kHzなのに、Windowsやオーディオインターフェイス側が44.1kHzになっているような状態です
この場合、同期オフセットで一瞬合わせても、時間がたつとまたズレることがあります
まず確認したいのはこちらです
- OBSの「設定」→「音声」→「サンプルレート」
- Windowsのマイク設定
- Windowsの再生デバイス設定
- オーディオインターフェイスの専用ソフト
- 仮想オーディオデバイスのサンプルレート
配信では、基本的に48kHzにそろえておくと扱いやすいです
特に、オーディオインターフェイス、仮想オーディオ、キャプチャーボードを組み合わせている方は確認しておきましょう
歌枠で声とオケがズレる場合
歌枠の場合は、声とオケのズレがかなり目立ちます
雑談なら少しの遅れに気づきにくくても、歌だとリズムがズレて聞こえやすいです
歌枠では、次のフィルターが原因になりやすいです
- ノイズ抑制
- コンプレッサー
- EQ
- リバーブ
- VSTプラグイン
- AIノイズ除去
歌枠で確認するときは、必ず実際の配信と同じ設定にしてください
リバーブやコンプレッサーをOFFにして合わせても、本番でONにするとズレることがあります
声とオケを合わせる方法はこちらで詳しく解説しています
歌枠全体のOBS設定は、OBSで歌枠配信をする方法|オケの流し方・マイク設定・音ズレ対策で説明しています
VST3プラグインを使っている場合
OBS標準のVSTフィルターは、基本的にVST2.x向けです
OBS公式のVST 2.x Plugin Filterでも、VST3.xは標準ではサポートされていないと案内されています
VST3プラグインをOBSで使う場合は、atkAudio PluginのようなVST3を読み込むためのプラグインを使います
VST3を使うこと自体が悪いわけではありません
ただ、VST3ホスト、VSTプラグイン、OBSのフィルターが関わるので、音が変わらない、表示されない、遅れる、原因がわかりにくい、ということは起きやすいです
VST3が表示されない場合は、OBSでVST3プラグインが表示されない・読み込めないときの対処法をお読みください
VST3の導入方法は、OBSでVST3プラグインを使えるようにする方法で説明しています
NoiLessなどのAIノイズ除去VSTを使う場合
NoiLessのようなAIノイズ除去VSTは、声とノイズを分けて処理します
そのぶん、OBS標準の軽いフィルターより遅延が出ることがあります
NoiLessの場合は、AI処理の仕組み上、約40msほどの遅延があります
40ms前後なら、OBSの同期オフセットで合わせられることが多いです
声が遅れて聞こえる場合は、まずマイク側を -40 前後から試して、録画で確認してください
ただし、NoiLessは話し声向けのノイズ除去プラグインです
歌声や楽器、音楽ミックス用として考えるより、雑談、ゲーム配信、作業配信などの話し声向けとして考えるといいです
ノイズ除去プラグインの選び方は、OBSで使えるおすすめノイズ除去プラグイン(無料・有料の選び方)にまとめています
フィルターの順番で遅延は直る?
フィルターの順番で、音の自然さは変わります
たとえば、ノイズ抑制、コンプレッサー、エキスパンダー、リミッターの順番を整えると、声が聞きやすくなることがあります
ただし、重いVSTプラグインそのものの処理遅延が、順番を変えるだけで消えるとは考えないほうがいいです
順番を変えて少し改善することはあっても、明らかに声が遅れているなら、同期オフセットかフィルターの見直しが必要です
よくある質問
Q. OBS標準のノイズ抑制でも声は遅れますか?
A. 環境によります
OBS標準のノイズ抑制だけで大きな遅れが気になることは多くないと思います
ただ、RNNoise、NVIDIA Noise Removal、ほかのVSTノイズ除去を使っている場合は、録画で確認しておくと安心です
Q. コンプレッサーを入れたら遅れますか?
A. OBS標準コンプレッサーだけなら、大きな遅れは出にくいと思います
ただし、VSTコンプレッサーや複数のプラグインを重ねている場合は、環境によって確認が必要です
Q. OBSのモニター音が遅れるのは直せますか?
A. OBSの音声モニターは遅れて感じることがあります
録画や配信では合っているのに、自分の耳だけ遅れて聞こえる場合は、OBSのモニターではなく、オーディオインターフェイスのダイレクトモニターを使うほうがいい場合があります
まずは録画で、実際の出力がズレているか確認してください
Q. 声が遅れるならマイクをマイナスにすればいいですか?
A. まずはそれで確認してOKです
声が遅れている場合は、マイク側を -20、-40、-60 のように調整して録画で確認します
うまくいかない場合は、BGM、ゲーム音、オケ側をプラス方向に遅らせて合わせる考え方もあります
Q. 数分たつとズレる場合も同期オフセットで直せますか?
A. だんだんズレる場合は、同期オフセットよりサンプルレートやデバイス設定を疑ってください
同期オフセットは、一定のズレを合わせるための設定です
時間とともにズレが増えるなら、OBS、Windows、オーディオインターフェイス、仮想オーディオのサンプルレートをそろえたほうがいいです

